集束イオンビーム加工 (FIB)

原理概要

集束イオンビーム加工装置 (FIB) は、ガリウム(Ga)などの液体金属イオン源から引き出したイオンを、電界で加速・レンズで細く絞って試料に照射し加工、観察する装置です。照射時に発生する二次電子や二次イオンを検出することで、
走査電子顕微鏡(SEM)のように表面形状を画像化できます。また、重いイオンが試料表面の原子を弾き飛ばすことで、
ナノレベルの精密な切削・加工を行います。さらに特殊なガスを吹き付けながらビームを照射すると、ガス分子が分解されて局所的に金属や絶縁体の膜を形成できます。 

 

原理イメージ図

        見る                                                               削る                   付ける

FIB(a)FIB(b)FIB(c)

 

【参考】FIBでできること

(a)見る(Scanning Ion Microscope: SIM)
イオンは試料との最初の衝突でほとんどの運動エネルギーを消費するため、試料最表面の情報が画像化できます。また、結晶性の試料では強いチャネリングコントラストが得られます。

(b)削る(Sputtering)
イオンビームの軌道に沿った方向性のある加工ができます。また、ビーム走査の位置と時間を制御することで、3次元的な加工も可能
です。

(c)付ける(FIB Assisted Deposition: FIB-AD)
ガスを併用することで、局所的にデポジション膜を形成することができます。ガス種を選ぶことで、導電膜や絶縁膜が形成できます。

FIB(a,b,c)

応用例

TEM用薄片試料の作製、ダメージ層除去

スライスビューによる試料内部の立体構築

微小異物の断面構造確認

フォトマスクの欠陥修正(不要物除去、欠如部分の補填)

特徴と欠点

<特徴>

1.「見る」「削る」「付ける」の機能を利用し、様々な加工や観察ができる 

2. イオンビーム単独の構成(シングルビーム)、SEMと組み合わせた構成(クロスビーム、デュアルビーム)、また大面積

     加工用などそれぞれ用途に合った装置がある 

3. イオンビームの「削る」とSEMの「見る」を繰り返し、試料内部の立体構築(スライスビュー)が可能 

4. 微小、特定箇所のTEM観察試料サンプリングが可能 

 

<制限と欠点>

1. ビームが照射された部分はわずかに削れるため、目的や状況に応じ表面保護が必要 

2. 含水試料や導電性の低い試料は前処理(水分除去、導電性コーティングなど)が必要 

3. 材料により、加工に時間がかかる場合がある 

4. 色の情報が得られないため、光学顕微鏡で確認できるもの全てが把握できるわけではない 

 

ご依頼時の留意点

<試料基本情報>

試料サイズ:20mm角程度まで、厚さは~4mm厚まで 

 ※上記以上のサイズの場合は、ご相談ください。

磁性材料、粉末材料は別途ご相談ください。

水分、溶剤等は含まない状態でご提供ください。

▸磁裏面はフラットな状態が望ましいです。

 

<ご提供いただきたい情報>

材料:主材、添加物、膜構成など 

断面評価の場合、構造情報(ポンチ絵でもOKです

最表面の評価が必要かどうか  

試料の導電性情報 

磁性の有無

TEMサンプル作製の場合:ご希望の観察領域(幅、深さ)、観察方向、EDX分析時の元素など 

 

<試料送付方法>

チップケース、ウエハケース等容器に入れ、観察、分析面には何も触れないようにして

 お送りください。(輸送中の割れ等にご注意ください)

ケースに入れる際には、できるだけ試料がケース内で動かないようにしてください。

 裏面に強力なテープや液体材料等を使用しての固定はご遠慮ください。

試料番号、IDの記載(試料表面、ケース上等)

 裏面へのケガキはご遠慮ください。

 

アプリケーションノート

 ・CMOSカメラ 撮像素子のFIB断面作製  (PDF)

 

 

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