走査電子顕微鏡(SEM)

原理概要

走査電子顕微鏡 (SEM) は、電子線を用いて試料表面の微細構造を観察する装置です。電子銃から放出された電子は、高い電圧で加速され、電子レンズで細く絞られた電子ビーム(電子プローブ)となります。このビームを走査コイルで制御し、試料
表面をスキャンします。電子ビームが試料に当たると、二次電子 (SE) や反射電子 (BSE) などの信号が発生します。これらの
信号強度を電子ビームの走査位置と同期させ、モニター上に輝度(明るさ)として表示することで、高倍率の拡大画像が形成されます。

原理イメージ図

 

SEM原理イメージ図

 

応用例

・各種材料表面凹凸及び組成の違いを把握
・材料科学、半導体、金属、セラミックス、生物学、医学など、非常に幅広い分野で利用
・試料を薄くして透過電子 (STEM) 像の撮影
・低真空、大気非暴露、In-Situなど特殊環境下での観察

特徴と欠点

<特徴>

1. 光学顕微鏡に比べ、非常に高い拡大倍率 (数十倍から数百万倍程度) で観察

2. 高い解像度 (分解能) が得られ、微細な表面構造を詳細に観察

3. 焦点深度が深く、試料の表面の凹凸や三次元的な構造を立体的に観察

4. 電子線照射により凹凸情報だけでなく様々な信号が得られる
  (SEBSETEEDXWDXEBSDEBICCLなど)

 

<欠点>

1. 含水試料や導電性の低い試料は前処理 (水分除去、導電性コーティングなど) が必要

2. 磁性材料は電子線に影響を及ぼすため要注意

3. 表面から深い内部構造の観察が困難 (断面作製が必要)

4. 色の情報が得られないため、光学顕微鏡で確認できるもの全てが把握できるわけではない

 

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